チベット文化圏では、一般的に耳飾りは常時身に着けられます。
儀式や祭事等、特別な機会に身に着けるものもありますが、そのようなものは総じて大きなものでした。
チベット本土に生まれた男性は伝統的に右耳にこのような金や銀、真鍮で出来た大きなものを好みました。ターコイズに紐を通しただけのものもありますが、使われる石はどういう訳か、ほとんどがターコイズです。
ターコイズを耳に着ける者は、来世で驢馬に生まれ変わらないという、チベットで広く知られる言い伝えから来ているのかもしれません。
大きなものになると耳たぶに負担がかかりすぎる為、小さなループに紐が付けられ、耳の上部にぐるりと回し、重さが軽減されます。
18~19世紀頃のもの。長い間身に着けられてきたことにより、シルバーの断面が滑らかに美しく摩耗しています。
石は2か所に異なる色のチベタンターコイズが使われています。
Size 47×40×12.5mm